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データロガーは複数のデータを時系列に沿って計測,記録する装置で、その種類は目的に応じて多岐にわたりますが、広く用いられているのは熱電対による温度計測機能を備えた汎用データロガーです。その構成は計測の対象となる多点のアナログ及びデジタル信号を順次切換えるスキャナー、アナログ・デジタル変換器(A-D変換器)、および各種のデジタル出力装置から構成されています。
そして、今日、自動計測に広く用いられている汎用データロガーは、その主要部分であるA−D変換器の開発からその歴史が始まりました。
デジタルボルトメータ( A−D変換装置) は米国NLS社が最初に開発したとされ、日本にも昭和37年 (1962) に初めて製品が紹介されました。 また、江藤電気株式会社は昭和31年の創業以来A−D変換器の開発を手がけ、昭和33年 (1958) にはわが国最初のデジタルボルトメータ(数字式電圧計)の出荷を開始しました。
データロガー(Data Logger)の名称についてログ (Log:丸太) の語源は古く大航海時代にさかのぼり、当時船の速度を測る手段として一定の長さ毎に結び目のあるワイヤの先に丸太を取り付け、海中に投げ込んで一定時間内に繰り出したワイヤの長さから、或いは Log chip(木片,測程板)を船首から海中に投げて船尾に達するまでの時間から船足を求めたとされています。
ここで得られたデータなとを常に記録する航海日誌は Log book (英) と称され、今日「ログ」は時系列的な記録も意味します。 ブログ(Web-Log, BLog, Blogger)などもその一例です。
データロガーは計測値を自動的に記録する装置として計測の分野に不可欠の要素となっています。 特に、データのモニターも含め、多点の数値化された時系列データはコンピュータ上での扱いが容易であり、その用途はデータ処理の分野にも大きく広がっています。
データロガーは当初、いくつかのユニットを組み合わせて構成されました。写真は昭和40年 (1965) 当時のデータロガーで、上から作表タイプライタ、入力スキャナ、デジタルボルトメータ、制御部などで構成され、計測の自動化が始まりました。 昭和48年 (1973) にはオール・イン・ワンのデータロガーをサーモダックの商標で発売しました。
最初のサーモダックE−60Tは各種の熱電対に対応し、入力端子温度の均一化などによる正確な温度計測が特徴でした。
昭和55年 (1980) には可搬性に優れ、かつ、測定チャネルの増設が可能なサーモダック3の生産を開始しました。 1980年頃から始まったパソコンの普及に伴って、以降、インターフェースの強化、計測の多点化、高速化、計測環境の多様化などに対応しながらサーモダックは着実に発展を続け、より信頼性の高く、より使いやすく、より広いニーズに応えられる製品群へと展開していきます。
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